電気自動車の魅力は、家庭でのバッテリー充電が叶う点ですが、最近では電気自動車から、家庭への電力供給が可能な「V2H」が話題となっています。今回は、V2Hの概要と仕組みや導入のメリット、利用可能な補助金の種類などを詳しく解説します。電気自動車の購入を検討している人やV2Hに興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
V2Hとは?電気自動車のバッテリーを自宅で活用するシステム
V2Hの概要や仕組みなどを解説します。
V2Hの概要
V2Hは「Vehicle to Home」の略であり、文字どおり「自動車から住宅へ」の電力使用を実現したシステムです。
従来までの電気自動車は、自宅のコンセントから電気自動車のバッテリーへの充電をするのみで、電気自動車から自宅に電気を供給することは不可能でした。
V2Hでは、電気自動車のバッテリーを蓄電池のように使用して、電力の供給が可能です。V2Hのシステムを活用するには、V2Hに対応している電気自動車と、専用のV2H機器が必要となります。
そもそも家庭用の電気と、電気自動車のバッテリーとなる電気とでは種類が異なるため、自宅コンセントから電気自動車のバッテリーを充電する際にも、電気自動車のバッテリーを家庭用蓄電池として使用する際にも、それぞれ電気を変換する作業が必要です。
V2H機器は電気の返還を行うための機器であり、蓄電池の役割を担うものではありません。
一般的な蓄電池との比較
V2Hシステムを利用して、電気自動車を蓄電池として利用する場合、一般的な蓄電池よりも費用対効果が高い点が、違いとして挙げられます。
そもそも蓄電池としてだけではなく、自動車としても利用できるうえ、金額は270万円程度までと現実的です。
太陽光発電を利用する蓄電池の相場が、100〜250万円程度であることを考えると、蓄電池と別で自動車を購入するよりも、V2Hを導入する方がコスパがよいといえるでしょう。
また、補助金制度の最大金額が一般的な蓄電池の2倍ほどあることからも、V2Hはメリットが大きいと判断できます。
V2Hを導入するメリット!充電が早く電気代もお得に
V2Hの導入にはさまざまな魅力があるため、導入を迷っている人はメリットについて調べてみるのがおすすめです。以下では、V2Hのメリットを4つ紹介します。
充電時間を短縮できる
充電に要する時間は、V2H機器の種類にもよるものの、多くのV2H機器では、倍速での充電が可能です。
自宅のコンセントから充電する場合と比較して、充電時間を半分にまで短縮できるため、より手軽に電気自動車での移動を楽しめます。
電気料金を安く抑えられる
電気料金は日中と比較すると、深夜の方が安くなります。そのため、深夜の安い時間帯に電気自動車に充電しておき、日中の電力を電気自動車から供給することで、電気料金を安く抑えることが可能です。
停電時に非常用として電力を使用できる
電気自動車の充電を済ませておくことで、停電などの災害時に非常用として、家庭に電力を供給できます。
一般的な蓄電池と比較すると、V2H対応の電気自動車は容量が大きいです。一般的な蓄電池は3〜12kWh程度ですが、電気自動車は車種にもよるものの、40kWhまで充電可能です。
災害時の停電は、どの程度続くか予想がつかないため、少しでも多くの電力を蓄えておくことで安心して過ごせるでしょう。
環境への負担を軽減できる
日中多くの家庭や企業で電力が必要とされる時間帯には、稼働する火力発電所の数も増加します。
電力需要がもっとも高まる時間帯に、電気自動車からの供給電力を使用することで、火力発電の減少に貢献でき、結果として環境への負荷軽減にもつながります。
V2H導入に使える補助金の種類
V2H導入時に受けられる補助金の種類はさまざまです。具体的な補助金制度は、以下の通りです。
CEV補助金
V2Hシステムの導入推進を目的とした補助金を指します。補助金は車両本体とV2H機器、外部給電機器のそれぞれが対象であり、車種や機器の種類によって金額上限が変動します。
DER補助金
個人向けとして、住宅にV2H機器を設置する際に利用できる補助金です。工事費として上限40万円、設備費として上限75万円を受け取れます。
ただし、設備費は設備費用の半額までが補助対象であるため注意してください。
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金とは、クリーンエネルギー自動車の購入などを対象とした補助金です。車両購入の場合は車種によって、補助金額に変動がありますが、20〜255万円が上限額となります。
まとめ
今回は、V2Hの概要や一般的な蓄電池との違いに加え、メリットや導入時に使える補助金などについて詳しく解説しました。V2Hは、従来までの電気自動車のように、家庭でのバッテリー充電が可能であるだけでなく、バッテリーに蓄えられた電力を家庭用として供給できるシステムです。V2Hはバッテリーの倍速充電が可能であることや、災害による停電時などに非常用電力として、電力が使用できることなどがメリットとして挙げられます。
また、夜間の充電によって、電気料金の節約につながるのもうれしいポイントです。導入時には、CEV補助金やDER補助金などが利用できるため、車両や設備を購入する際は、申請条件や手続きの流れなどをチェックしておきましょう。V2Hシステムの導入を検討している人や蓄電池の利用に興味がある人は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。
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