太陽光発電でトラブルを起こさないための事前のチェックポイントを紹介

太陽光発電は、持続可能な社会を形成するための発電方法として注目されています。しかし、太陽光発電の設備を自宅に導入したあとにトラブルが発生してしまうケースも少なくありません。そこで今回は、太陽光発電にまつわるトラブル事例と、トラブルを未然に防ぐためのチェックポイントをまとめて解説します。

太陽光発電にまつわるトラブル事例

太陽光発電は2009年の余剰電力買取制度制定以降、日本で急速に普及しました。しかし、それに伴いトラブルも増加しています。とくに近隣住民や業者とのトラブルが目立ち、訪問販売による高額販売も社会問題となっているのが実情です。以下は、主なトラブル内容です。

近隣住民とのトラブル

近隣住民との問題として、まず反射光がまぶしいという苦情があります。太陽光パネルの反射が生活に支障を与えたとして、裁判に発展した事例もあります。とくに地面設置の場合には、反射光や設置角度に注意が必要です。

また、パワーコンディショナーの騒音が問題になるケースもあり、騒音を抑えたモデルの利用が推奨されています。さらに、降雪地域では屋根から滑り落ちる雪がトラブルを引き起こす可能性があります。

防止策としては、雪止めを設置するなど、パネル配置を工夫しましょう。また、雑草や樹木の影響で発電効率が低下したり、ツタ植物や動物によるパネルの故障が発生する場合もあるので、適切な環境管理も求められます。

業者とのトラブル

業者との問題としては、補助金が下りないケースが挙げられます。業者の申請忘れや手続きの不備が原因で、補助金を受け取れない場合があるため、設置前に手続き内容を確認しましょう。

また、屋根への穴あけ作業のミスによる雨漏りにも注意が必要で、保証内容に雨漏りに関する規定があるかも事前に確認が必要です。さらに、悪質な訪問販売も多く、法外な価格を請求されるケースもあります。「絶対に儲かる」などの甘い誘い文句には注意し、家族や専門家に相談して冷静に判断しましょう。

自然災害によるトラブル

自然災害も、太陽光発電にとって大きなリスクです。台風では強風でパネルが飛ばされたり、発電システムが浸水して故障するケースもあります。さらに、地震が発生すると、パネルの歪みや破損が起こり得ます。

また、傾斜地設置の場合、土砂崩れによるパネルの崩壊も懸念すべき事項です。あらゆるリスクに対処するためにも、動産総合保険へ加入も検討しましょう。

故障によるトラブル

経年劣化による故障としては、パワーコンディショナーやホットスポットの出火に注意が必要です。前者は施工不良や異物侵入が原因で、後者はパネルの一部が過熱する現象です。トラブル防止には、適切な業者による定期的なメンテナンスが不可欠です。

トラブルを未然に防ぐための契約前のチェック事項

太陽光発電を導入する際には、トラブルを避けるためにも事前に適切な準備と確認が重要です。以下の4つのポイントを押さえれば、リスクを最小限に抑えられます。

業者の実績は充分か

信頼できる業者選びは、太陽光発電を長期的かつ安全に運用するための第一歩です。業者の実績が豊富で、設置経験があるかを確認しましょう。

不適切な業者には太陽光発電の実績が乏しい、強引なセールスや契約を急かす、質問への回答が曖昧または不充分、デメリットやリスクの説明を避けるなどの特徴があります。不適切な業者は、設置後にトラブルを引き起こす可能性が高いため注意が必要です。

見積書は明確か

業者を選定したら、見積書を出してもらい、内容の詳細を確認しましょう。見積書が不明瞭であれば、信頼性に疑問が生じます。具体的な金額や費用の内訳が、明確に記載されていれば、安心して検討できます。また、複数の業者に見積もりを依頼して比較すれば、適正な価格と信頼性を判断しやすくなります。

保証内容は充分か

予期せぬトラブルに備え、保証内容もしっかり確認しておきましょう。具体的には、機器の故障、自然災害、雨漏りなどのリスクに対して、どこまで保証されるのかを確認しましょう。

保証が明記されていない場合、後に多額の費用を自己負担する可能性があります。とくに、雨漏りや災害時の修理費用については注意深く確認し、必要ならば補足的な保証内容の追加を検討しましょう。

アフターフォローはあるか

太陽光発電は、長期的に使用する設備です。そのため、設置後のアフターフォローが充実している業者を選びましょう。アフターフォローがしっかりしていれば、トラブルが発生した際も迅速に対応してもらえます。また、同じ業者に定期メンテナンスを依頼できるため、利用者としても安心です。

まとめ

太陽光発電は持続可能なエネルギーとして注目されていますが、導入後のトラブルも少なくありません。近隣住民との反射光や騒音、積雪による問題、業者の手続き不備や悪質な販売手法、自然災害による損害など、多岐にわたるトラブル事例が報告されています。これらを防ぐためには、信頼できる業者の選定が重要です。業者の実績や見積書の透明性、保証内容の充分さ、アフターフォローの有無を事前に確認しましょう。また、適切なメンテナンスや保険への加入もリスク軽減に効果的です。事前の準備を徹底すれば、安全で長期的に活用できる太陽光発電を実現できます。